■玉掛索は使用荷重、つり本数、つり角度及びつり方を考慮して安全率(安全係数)が
6以上確保できるよう(クレーン等安全規 則で決められている)選定してください。
安全率が不足していると、急激な衝撃荷重や損傷劣化などにより破断する恐れがあり
ます。
■つり角度はできるだけ60°以内にして下さい。
つり角度が大きくなると玉掛索に大きな張力がかかり、危険です。
●2本吊りの場合
つり角度(θ) | 0° | 30° | 60° |
1本のロープにかかる張力 (使用荷重に対する倍率)0.5 |
0.5 | 0.52 | 0.58 |
■フック部などでロープを小さく曲げると強度が低下します。
大きくできない場合は、低下率を考慮して玉掛索を選定して下さい。
●6×24の場合
ロープ径に対する曲げの大きさ(直径) | 1倍 | 5倍 | 10倍 | 20倍 |
強度低下率 | 50% | 30% | 25% | 10% |
■台付索は玉掛作業には使用しないで下さい。
台付索には加工方法の規定がなく、玉掛作業に使用すると抜ける恐れがあります。
■玉掛索は1本吊りでは使用しないで下さい。
つり荷が回転したり、加工部(特に巻差しの場合)が抜けたりして危険です。
■玉掛作業は、労働安全衛生法に定められた有資格者が行って下さい。
つり荷の重心判断やつり方を誤ると、大事故になる恐れがあります。
■ロープのねじれや曲がりが発生したら、修正しキンクさせないようにして下さい。
■玉掛索は消耗品です。 廃棄基準を超えたものは絶対しようしないで下さい。
強度が著しく低下しているので大変危険です。
点検項目 | 点検の種類 | 点検方法 | 廃棄基準 | ||
日常 | 定期 | ||||
ロープ | (1)断線※1 | ○ | ○ | 目視 | 素線が、ロープ1よりの間において最外層ストランド中の総索線数の10%以上断線しているもの、又はロープ5より間において20%以上断線しているもの。 |
(2)摩擦 | ○ | ○ | 目視 | 磨耗によって、直径の減少が公称径の7%を超えるもの。 | |
(3)腐食 | ○ | ○ | 目視 | 腐食によって、素線表面にピッチングが発生して、あばた状になったもの。 内部腐食によって、素線が緩んだもの。 |
|
(4)形くずれ | ○ | ○ | 目視 | 形くずれによって、キンク及び著しい偏平化、曲がり、かご状などの欠陥が生じたもの。 | |
(5)電弧又は熱影響 | ○ | ○ | 目視 | テンパーカラー又は溶損の認められるもの | |
(6)塗油の状態※2 | ○ | ○ | 目視 | ||
(7)アイ部、圧縮止め部 | ○ | ○ | 目視 | き裂、変形、ロープのずれ、又は著しいきずなどが発生しているもの。 | |
付属金具 | (1)変形 | ○ | ○ | 目視 | 曲がり、ねじれ、ゆがみなどが認められるもの。 |
(2)きず | ○ | ○ | 目視 | 著しい当たりきず、切り欠ききずなどが認められるもの。 | |
(3)き裂 | ○ | ○ | 目視 又は 浸透深傷※3 又は 磁紛深傷※4 |
き裂が認められるもの。 き裂が認められるもの。 き裂が認められるもの。 |
|
(4)磨耗 | ― | ○ | 計測 | 磨耗量が元の寸法の10%を超えるもの。 | |
(5)腐食 | ○ | ○ | 目視 | 全体に腐食が認められるもの、又は局部的に著しい腐食のあるもの。 |